「全敗もあり得る」と言われた大阪で驚異的追い上げ。「壊滅」の予想を覆し、「善戦」。
2015年1月号 POLITICS
維新の党は「逆バネ」のおかげで生き延びた。低投票率、安倍自民圧勝の衆院選の中、41議席と公示前から1減にとどめ、選挙中盤まで「全敗もあり得る」と言われた大阪では終盤の驚異的な追い上げで5勝9敗にまで押し返した。松井一郎幹事長(大阪府知事)は「土俵際で残った。統一地方選でもうひと勝負できる」と安堵の表情だが、橋下徹共同代表(大阪市長)は「完敗だ。維新の党や僕に対する信任がなかった」と苦い顔だ。候補者の中には「風のない中で、自公の圧倒的な力を感じた」と語る者もいる。直前の「出馬断念」をはじめ、橋下、松井が引き起こす混乱に民意は冷めている。「維新はうんざり」から「自公に勝たせ過ぎたらあかん」に振り子がふれる僥倖で「壊滅」は免れたが、本拠地・大阪の覇権を自公に奪われ、大阪都構想の復活の展望は立たない。次は統一地方選。維新の正念場はこれからだ。
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