実録・ソニー「追い出し部屋」⑯真綿で首の「ガス室」送り

「痛みは大きくてもリストラは1回で終わらせるべき。何回もやっていると、次は自分の番ではないか、と恐怖心を煽ることになる……」

2015年1月号 BUSINESS [短期連載⑯]

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6年近く時が過ぎても、あの日の驚きと痛みは忘れることがない。その日が近づくと、ソニーの業務執行役員だった尾上善憲(よしのり)は、どこかが引きちぎられたような疼きを思い出す。「パパ! 大変よ」2​0​0​9年1月22日という日は、妻の大声から始まった。午前6時ごろだった。2階の寝室で寝ていた尾上はその声に跳ね起きて、パジャマのまま階段を駆け下りた。妻が日本経済新聞を手にしていた。「きょう出張するって言ってたけど、もう新聞に出てるわよ」彼は愛知県一宮市に出張する予定であった。日経の1面トップには、その出張を台無しにする記事が掲載されている。記事は黒々とした5段見出しで、国内テレビ生産工場のリストラを伝えていた。〈国内TV生産 ソニー、1工場に集約〉尾上はぎょっとした。その脇の袖見出しは、〈希望退職募集など正社員2​0​0​0人超削減〉と補足し、次のように伝えていた ………

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