配偶者控除だけでなく、所得税の控除全体の見直しを目論む財政当局。安倍首相にとっては危険な賭けだ。
2014年12月号 BUSINESS
「女性が輝く社会」を目指す安倍晋三首相が、「103万円の壁」などと言われる配偶者控除の廃止を含む抜本改革に本気でアクセルを踏み始めた。だが、「女性の働き方の選択に中立な税制」を謳い文句にしても、専業主婦などの間では、配偶者控除見直しへの抵抗は根強い。したたかなのは、首相に知恵を付ける財務省である。配偶者控除だけでなく、所得税の控除全体の見直しなど所得税改革にも意欲的で、新たな庶民増税メニューが早くもちらつく。首相が財務省の尻馬に乗ると、増税ラッシュを警戒する世間から猛反発を招きかねない。内閣支持率が低下する中で、解散・総選挙の時期を探る首相にとって危険な賭けとなりそうだ。「女性の就労拡大を抑制する効果をもたらしている仕組みや慣行などについて、女性の活躍に向けた具体的な取り組みの検討を進めてほしい」――。首相は10月末、麻生太郎副総理・財務相 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。