2014年11月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
実は日本には義務教育を受けていない人が100万人もいる。10年の国勢調査によれば、小学校を出ていない未就学児が12万8187人。一方、中学教育を終えていない人数については、政府も正確に掌握していない。中曽根政権時の1985年に「約70万人」という数字が出たが、それ以降のデータはない。未就学者となる事情は様々だ。戦争混乱期に生活困窮から幼くして働きに出た人もあれば、引きこもりによる登校拒否、無戸籍ゆえに就学機会を得られなかった人もある。就学猶予や免除を受けた障害者の場合は、養護学校教育義務制度に基づき、都道府県別に15歳、18歳、20歳と就学対象年齢が決められたため、それに漏れると就学の機会を奪われた制度上の問題もあった。彼らを救済するのが夜間中学だが、わずか8都府県31カ所しか設置されていない。「憲法で保障される教育を受ける権利が蔑(ないがし)ろにされて ………
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