「法人税逃れ」に米欧包囲網

税優遇国に拠点を移すアップル、アマゾン、スタバなど米国際企業を封じ込め。日本の大企業も明日は我が身か。

2014年11月号 BUSINESS [BEPS行動計画]

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猫のトムが追いかければ、ネズミのジェリーが逃げる。おなじみのアニメ「トムとジェリー」ではないが、米国の大企業は税逃れのためなら、ネズミしか出入りできないような抜け穴を探すことに長けている。そのやり過ぎに米欧の世論の怒りが沸騰し、当局が投網をかけ出した。節税対策に余念がない日本の大企業にとっても、これは対岸の火事ではない。これまでトムの役目を果たしていたのは米議会と米財務省だが、ここに来て欧州が動いた。欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のホアキン・アルムニア副委員長が9月30日、アイルランド政府に6月11日付で送った21ページに及ぶ書簡を公表したのである。iPhoneで世界の通信業界を一変させた米アップルに対し、アイルランド当局が至れり尽くせりの税優遇を行った事実を突きつけている。

アップルは5兆円余の「節税」

両者は1​9​9​1年と2​0​0​7年の2回にわたり、法人税を優遇する取 ………

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