イラクなどの増産は頓挫。米国のシェールブームも、住商の大損のように先行き不透明。
2014年11月号 BUSINESS
石油相場の下落が続いている。代表的な価格指標の1つである北海ブレント原油は今年6月後半には1バレル=110ドルを超えていたが、9月上旬に100ドルの節目を割り込み、10月10日時点では89ドル台と約4年ぶりの安値圏で推移している。その原因について、メディアでは「欧州の景気後退や中国の成長鈍化が響いた」との解説が一般的だ。需要が短期で回復する見込みはなく、相場はさらに下がると予想する向きもある。だが、これは事実の片面しか見ていない。現実には需要サイドよりもむしろ供給サイドで「想定外」の異変が起きており、目下の石油需給は極めて微妙なバランスの上に成り立つ不確実なものなのだ。そもそも今年3月頃まで、石油市場関係者やIEA(国際エネルギー機関)などの専門機関は相場下落がもっと早く始まると予想していた。政治的理由により停滞していたイラク、イラン、リビアの生産が本 ………
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