「慰安婦問題」真の元凶

安倍首相と支持層が国家の栄光や誇りを叫べば叫ぶほど、国家国民は新たな汚辱に塗れる悪循環に陥る。

2014年11月号 POLITICS [危うい「歴史修正主義」]

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中曽根康弘元首相は戦時中、海軍主計中尉として南洋の島に「慰安所」を開設し、荒くれ兵たちから大いに感謝された過去を持つ。この体験は59歳で自民党総裁選に初めて出馬した頃、求めに応じて寄稿した「二十三歳で三千人の総指揮官」と題する小文に、自ら記していた。「三千人からの大部隊だ。やがて、原住民の女を襲うものやバクチにふけるものも出てきた。そんなかれらのために、私は苦心して慰安所をつくってやったこともある」(松浦敬紀編著『終りなき海軍 若い世代へ伝えたい残したい』文化放送刊、1​9​7​8年)。本は、表紙裏に「戦後30余年を経て、今なお語られる海軍とは何か? 現代社会を動かす各界の指導者たちに海軍出身者が多いのはなぜか?」とある無邪気な海軍礼賛本である。寄稿者には、大手証券会社元社長や元警視総監ら名士が名を連ねている。執筆の動機は他愛ない昔の自慢話だった ………

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