全日空機でリチウムイオン電池真っ黒焦げの「原因特定できず」。ハイテク機に無力。
2014年11月号 BUSINESS
肩すかしというべき代物だった。2013年1月に全日空のボーイング787型機が山口宇部―羽田の途上で発煙し、高松空港に緊急着陸したトラブルについて、国の運輸安全委員会が9月25日に公表した最終報告書のことだ。バッテリーシステムを構成するリチウムイオン電池が内部でショート(短絡)を起こし、異常発熱による連鎖的な「熱暴走」を誘発して発煙につながったとする内容だが、「なぜ電池内でショートしたのか」という根本原因は特定できなかったとするトホホの結論だからである。ボーイング社に白旗をあげた運輸安全委は一方で、米連邦航空局への勧告の中で、同社に原因調査の継続を求めるというまさかの“丸投げ”。進化し続ける航空業界の中で、ガラパゴス化の様相を呈する日本の事故調査機関の「最後の砦」への失望感が収まる気配はない。
運輸安全委が最終報告書を発表した記者会見には敗北感が漂 ………
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