2014年11月号 BUSINESS
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は最終局面に入り、参加12カ国のうち経済規模が突出する日米の決断が焦点となってきた。だが、日米は日本の牛肉・豚肉など農産品「聖域5分野」、そして米経済の象徴たる自動車の市場開放で妥協点を見いだせない。9月23、24日にはワシントンで甘利明TPP担当相、フロマン米通商代表の両閣僚が協議したが、物別れに終わった。その背景にはコミュニケーション不足がうかがえる。協議は、日本が農産品の関税削減などで譲歩したが、米通商代表部(USTR)は別の譲歩も求めたとされる。話は噛み合わず、日本の交渉団は協議2日目にわずか1時間で席を立った。甘利氏は「覚悟を決めて柔軟性を示したが、誠意ある対応が見られなかった」と不満を漏らすが、今回の協議は準備段階からそもそも無理があった。農産品、自動車とも実務的に課題が残っていたのに、USTRの求めで開催が決まる ………
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