2014年10月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
これほど役回りのわかりやすい大臣はいない。農協グループを解体し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)参加へ突っ走る西川公也農相(衆院栃木2区、当選5回)は汚れ役である。09年の衆院選で落選し、浪人生活を味わい、12年の衆院選で返り咲いたが、その当時は「TPP交渉参加反対」を声高に訴えていた。ところが、自民党のTPP対策委員長の要職に就いた途端に推進派に豹変。「西川プラン」なる怪しげな農産物の関税交渉打開策を携えてTPP交渉参加国をくまなく回った。外務省幹部は「『ニシカワ、Who?』と、何度も訪問予定国から問われ、説明に苦労した」と苦笑する。そんな「議員外交ごっこ」で成果が出るはずがない。それどころか「応援を受けていた畜産団体を切り捨てるかのような大幅関税引き下げを匂わせ、大顰蹙を買った」と、農協関係者も呆れ返る。西川氏がひたすら歓心を買おうとしたのは、閣僚 ………
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