「昭和天皇実録」の琴線

先帝の動静記録から自ずと浮かび上がる遺訓に対し、安倍首相的「美しい日本」主義は自己矛盾を抱えている。

2014年10月号 POLITICS [「積極的平和主義」のすり替え]

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昭和天皇の87年の生涯(1901~89年、明治34~昭和64年)を宮内庁が公式に編修した『昭和天皇実録』全61冊・約1万2千ページが9月9日、公開された。新聞各紙によれば「通説を覆す新事実なし」、ざっと目を通した専門家たちも「記述に統一性がない」「肉声が少なすぎる」「史料の引用もあいまい」と評価は辛い。だが、歴史研究とは別に、安倍政権下の「いま」「私たち」に引き付けた読み解き方もあるはずだ。実録は史書ではない。皇室に仕える役所が、先帝の日々の動静記録を、今の天皇・皇后に奉呈した報告書である。侍従・侍従武官、、女官ら身の回りの世話係がつけた業務日誌が基本なので、日時や面会相手は確定できるが、内容や状況・背景は疎い。実録はその辺りを側近・要人の日記、戦後の公刊物を集めて埋めているが、そのリストは陸軍担当の新聞記者だった高宮太平著『軍国太平記』から週刊誌まで真 ………

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