中国独禁法「外資叩き」の裏読み

日系企業に制裁金と同時に一定の配慮。取り締まり強化の狙いは国民の不満のガス抜き。

2014年10月号 BUSINESS

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8月20日、中国の国家発展改革委員会(発改委)は住友電気工業、矢崎総業、日本精工など日本の自動車部品メーカー12社に独占禁止法違反があり、うち10社に対して総額12億3​5​4​0万元(約2​1​2億円)の制裁金の支払いを命じたと発表した。業界ぐるみの談合を繰り返して部品価格を不当につり上げ、販売先の企業や中国の消費者の利益を損ねたと厳しく断罪。科された制裁金は、中国の独禁法違反の罰金としては過去最高額だ。この発表を受け、日本の報道各社は「中国当局による外資狙い撃ち」との見方を一斉に伝えた。処罰対象に中国の部品メーカーが1社も含まれていなかったからだ。例えば、8月21日付の毎日新聞朝刊の記事は「外資たたきの疑念」という見出しを立て、「外資に圧力をかけながら自国産業を保護、育成する狙いもちらついている」と解説した。

日米欧の当局が先に摘発

ところが奇妙なことに、日本の自動車部品業界から ………

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