「産業革新機構」の化けの皮

鳴り物入りの投資先は見込み違いばかり。能力不足で税金をドブに捨てるようなもの。

2014年10月号 BUSINESS

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6月24日、電子書籍の制作支援を手掛ける出版デジタル機構が社長交代を発表した。ソニー出身の野副正行が社長を退き、角川書店(現KADOKAWA)元常務の新名新が後任に就いた。野副の退任は任期満了に伴うものと説明されたが、信ずる者はない。「野副さんは電子書籍事業の素人同然。社内が混乱しまくった責任を取った」と、関係者は冷ややかだ。そもそもデジタル機構とは、いかなる組織なのか――。設立は2012年4月。講談社や小学館などの出版社、大日本印刷や凸版印刷などが出資して誕生した。「電子出版ビジネスの市場拡大をサポートするためのインフラを作り、出版物の電子化を支援する」という、立派な目的を掲げ、スタートを切った。電子書籍はiPadが発売された2010年頃から、出版物の新潮流と持て囃されたが、中小出版社は電子化のノウハウが乏しい。そこで「本さえ持って来れば電子化する」というビジ ………

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