「5兆円突破!」防衛予算が発火点

中国シフトの防衛予算5兆円突破の対外的なメッセージは強烈。ナショナリズムの高揚と相まって「軍拡競争」に火をつけないか。

2014年10月号 BUSINESS

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8月29日に発表された平成27年度予算の概算要求は、総額102兆円と過去最大となった。中でも防衛省の要求は、今年度予算に比べ1310億円(2.8%)増と、史上初めて5兆円を突破した。3年連続の増加である。防衛省は防衛予算の増大について「政府専用機の購入費542億円が総額を押し上げた」と説明する。しかし、米軍再編関係費の地元負担軽減分などを除いても、要求額は今年度より1035億円(2.2%)増え、自衛隊発足以来、最大の4兆8​9​9​4億円に達した。周辺諸国との摩擦が高まる中国の海洋膨張戦略に対抗する、「防衛予算5兆円超え」の対外的なメッセージは強烈だ。新規購入航空機(33機)のうち、ステルス戦闘機F35A(6機)、P1対潜哨戒機(20機)など、中国シフトの正面装備機が大半を占め、F35Aについては「島嶼部に対する攻撃への対応」の項目の筆頭に明記されている。南西諸島方面に関する措置について ………

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