米軍のイラク空爆で「マリキ下ろし」包囲網

2014年9月号 GLOBAL

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米軍のFA18戦闘攻撃機2機が8月8日、イラク北東部アルビル近くで限定空爆に踏み切った。イスラム聖戦組織「イスラム国」の移動式火砲にレーザー誘導弾を発射したと米国防総省が発表し、オバマ大統領も「大虐殺を防ぐ力が我々にある以上、目をつぶるわけにはいかない」と緊急声明を出した。2011年にオバマ政権が実現させた米軍全面撤退から3年足らず、再びイラク軍事介入に引きずりこまれたことは、シーア派マリキ政権テコ入れによってイラク自立を側面支援するオバマ大統領のプランが「砂上の楼閣」と化したことを示した。シリア内戦の反政府勢力の一部が6月半ば、イラク第二の都市モスルを占領したため、米国は軍事顧問団300人をバグダッドに派遣したものの、マリキ政権の不人気とイラク軍の弱体で、「覆面カリフ」アブ・バクル・アル・バグダディ率いる過激派の攻勢は強まるばかりだ。8月3日にはクルド ………

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