認知症に長期入院は百害あって一利なし──。常識が通じない事実上の病院回帰政策に愕然。
2014年9月号 LIFE
「病院は家じゃない」「病院の看板の掛け替えだ」――。炎天下の6月26日、東京の日比谷野外音楽堂で精神障害の当事者や家族、支援団体など約3千人が集まり、「普通の場所で暮らしたい」と口々に訴えた。精神科病院の病床を居住施設に転換する案が厚労省で検討されており、その反対集会だった。しかし反対の声は届かず、7月14日、同省の「長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会」で転換が決まった。これにより、本人の選択の自由などいくつか条件がつくものの、精神科病院の余った病室を「居住施設」に改装して、退院患者を収容することが認められてしまった。日本の精神科病院は先進諸国の常識に反し、異常な状態である。全国の精神科病院の総ベッド数は全世界の2割を占める約34万床もあり、この数はOECD諸国平均の4倍に達する。そのうち1年以上の長期入院者が約20万人。さらに10年 ………
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