食品業界でまた不祥事。背景に、責任転嫁の連鎖と天道をも畏れぬ心理がある。
2014年9月号 GLOBAL
上海の衛星テレビ局、東方衛視が7月20日に放映したスクープ報道は、世界を震撼させた。米食肉大手OSIグループ傘下の上海福喜食品の工場に記者が潜入取材。使用期限が過ぎて青く変色した肉を製品に混ぜたり、賞味期限を改竄(かいざん)したりしていた事実を暴露したのだ。上海福喜は中国国内のマクドナルド、ケンタッキー・フライド・チキン、バーガーキングなど大手ファーストフードチェーンの主要納入業者であり、日本のマクドナルドやファミリーマートにも製品を輸出していた。近年、中国では食の安全にまつわる深刻な事件が相次いでいるが、外資系企業の生産管理は比較的厳格と信じられていただけに、消費者に与えた衝撃は大きかった。事件の発覚を受け、各チェーンは中国のOSIグループ企業との取引停止を宣言。上海市政府は関係部門の合同チームを組織して立ち入り調査に乗り出し、公安当局が上海 ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。