消費税「後の祭」の大船鉾

2014年9月号 連載 [いまここにある毒]

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ちょっと旧聞に属するが、1864年の「蛤(はまぐり)御門の変」で焼失して以来、150年ぶりに復活した京都祇園祭の大船鉾(おおふねほこ)を見た。近くの路地で宵闇に浮かぶ組み立て中の船形の鉾。7月24日ので山鉾巡行のトリを飾った。地元では、今年から巡行を23基、後祭10基に分けたことの是非で侃々諤々(かんかんがくがく)だった。「前後に分けたら盛り上がらへん。二度客を呼ぼうなんて浅知恵や」「いや、49年前まで後祭が本来の古形。静かに祝うてもえやないか」コンチキチのお囃子とともに疫病退散を祈願するのが祇園祭の発祥だが、あの鉦(かね)や太鼓は悪霊を誘き寄せるハーメルンの笛らしい。平河町の議論を連想して思わず含み笑いが漏れた。政権の命取りとなる消費税増税を呑ませるため、前後2回に分けた財務省の奇策。貫徹するには4~6月の実質GDP(国内総生産)の落ち込みを7~9月でV字回 ………

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