インスパイアー「聴求」で監視委が勇み足

2014年8月号 DEEP

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6月17日、証券取引等監視委員会(日本版SEC)はジャスダック上場企業を急襲した。同委員会の開示検査課が通称“聴求”と呼ぶ(捜査令状に近い書類)書面を示しながら調査に入ったのは、通信機器販売会社、インスパイアーだ。開示検査課は、特別調査課のように逮捕令状を執行できるセクションではないが、企業の粉飾決算などを担当する中枢といってもいい部署だ。その担当者たちが、インスパイアー幹部らを集めて「調査に入ったことを誰にも言ってはならない。家族にも他言無用。必ずこれは守って下さい」と言ったから、インスパイアーは震え上がった。監視委が調査に乗り出した目的はおおよそこうだった。2008年にインスパイアーからトランスデジタル(11年破綻)へ、ダミー会社を経由させて1億9千万円への貸し付けを行った事実の究明――。次に09年にソフトウエア開発名目で計上された1億6千万円(後に償却 ………

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