成長戦略に自らリスク、経産官僚の「脱藩」

2014年8月号 BUSINESS

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経済産業省の40歳キャリアが辞めたと聞いても、もう誰も驚かない。「口だけ」METIに失望した有為な人材は掃いて捨てるほどいる。だが、伊藤慎介の動機は「産業界に成長戦略の旗を振るのだから、官僚も一人くらいリスクをとらなくちゃ」というもの。7月、出向先の産業革新機構を飛び出し、元トヨタの自動車デザイナー、根津孝太と「新しい交通システム」のベンチャー企業を起こした。社名は「リモノ」。乗り物からNOをとるという意味で、今の車はワクワク感がなく、交通弱者に対応できないので、超小型EVを開発し、行政と連携して街中で車速や加速を制限するインフラ(車のマナーモード)をつくろうという試みだ。05~07年に自動車課で世界初の車載用リチウムイオン電池プロジェクトを立ち上げ、07~10年に情報経済課で日本版スマートグリッドを構想して「世界の先陣を切り、アメリカがコピー、中国や韓 ………

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