医療費抑制の本命は「ベンチマーク」。米国発の「無駄な医療撲滅運動」も見逃せない。
2014年8月号 LIFE
日本の医療制度が大きな転換期を迎えようとしている。安倍政権が「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に盛り込んだ医療費抑制策はそれなりに評価してよいだろう。だが、制度を転換させるだけの本質的なうねりは、混合診療や薬価改定といった紙面を賑わす分かりやすい言葉ではなく、米国発の二つの「黒船」にこそある。ひとつは、4月に行われた経済財政諮問会議の社会保障政策を議論する席で、伊藤元重・東大教授が方針の筆頭に挙げた「ベンチマーク」だ。「病床や介護施設の料金と費用の対応については(中略)、実績データを踏まえた適正な原価を算定し、良質かつ効率的な病院・事業者をベンチマークにして報酬に反映すべき」(伊藤教授)ベンチマークとは、大量の医療情報の解析を元に、無駄な医療を削減する動きのことだ。医療費抑制の進む欧米で広く使われている手法だが、旧態依然とし ………
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