「カジノ誘致」安倍首相が広告塔

IR推進法案の先送りでピンチ。首相のカジノ視察で最後の切り札を使ったカジノ議連。

2014年7月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

安倍晋三首相がカジノ誘致に向け、なりふりかまわぬ海外広告塔になっている。5月30日、シンガポールを訪れた首相が空港から直行したのは、高層ホテルの屋上に巨大なプールがあることで知られる「マリーナ・ベイ・サンズ」と、敷地内にユニバーサルスタジオや水族館を併設する「リゾート・ワールド・セントーサ」。ともに日本のカジノ解禁論者が持て囃すIR(統合型リゾート施設)である。視察を終えた首相は満足げに、こう述べた。「世界からの観光客を倍増していく目標を東京オリンピック・パラリンピックまでに達成したいと思う。こうした施設は日本の成長戦略の目玉になる」「観光立国」を掲げ、国際観光産業振興議員連盟(通称「カジノ議連」)の最高顧問も務めるとはいえ、首相がこれほど「リップサービス」したのは、「成立確実」とされたIR推進法案が見送りになったからだ。

「お祭りムード」に冷や水

昨年12月、自民党、 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。