2014年6月号 連載 [監査役 最後の一線 第38回]
3月決算企業の株主総会が佳境を迎えている。ここ数年の懸案だった社外取締役の導入に踏み切る企業が相次いでおり、2~3人の社外取締役を選任する会社が目立っている。会社法改正で「社外取締役の1人義務付け」に強硬に反対した日本経団連や全国銀行協会など財界の反応はいったい何だったのだろうかと思ってしまう。ともかくも、日本の上場企業の大半が社外取締役を置くことになりそうで、まがりなりにも形は整う。今後は社外取締役をどうやって機能させるか、より実質的な課題に取り組むことが必要だろう。安倍晋三内閣が昨年6月にまとめた成長戦略では、機関投資家が投資先企業に収益向上などを働きかける「受託者責任」のあり方を定める「日本版スチュワードシップ・コード」導入を盛り込んだ。これまでしばしば「モノ言わぬ株主」だと批判されてきた生命保険会社など機関投資家が企業経営に良い意味 ………
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