「強権回帰」エジプトを中国闊歩

ムスリム同胞団720人に死刑判決で不穏。護衛付きの中国人ばかりがカイロ詣で。

2014年6月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

「アラブの春」でホスニー・ムバラク政権が崩壊した2011年以後、混乱が続くエジプトは5月26、27日に大統領選挙を実施する。昨年7月、軍によるクーデターでイスラム主義団体「ムスリム同胞団」出身のムハンマド・モルシ大統領が解任されてから、実権を握ってきた前国防相アブデル・ファタフ・アル・シシの当選が確実視されるが、非合法化されたムスリム同胞団に容赦ない弾圧を加えており、不穏な空気が漂っている。3、4月に死刑判決が言い渡された同胞団支持者は、最高指導者ムハンマド・バディア師を含む720人。罪状はすべて昨年7月のクーデター後の暴動や警察官殺害への関与である。このほか、同様の容疑で死刑判決を待つ同胞団支持者は919人に上る。クーデター以降、軍を後ろ盾とする暫定政権は同胞団員と支持者ら数千人を拘束し、締め付けを続けてきた。

同胞団の「怒りの日」

約80年前にエジプトで生まれたムスリム同胞 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。