「ドイツ再興」に学ぶ日本の大羅針盤

『ドイツ中興の祖 ゲアハルト・シュレーダー』

2014年6月号 連載 [BOOK Review]

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本書は、「欧州の病人」といわれたドイツがユーロ危機にもかかわらず欧州内で唯一力強い経済成長を遂げている秘密を解き明かすとともに、ドイツ復興の原動力となった大改革を成し遂げ「改革のための扉を勇気と判断力をもって開き、様々な抵抗にもかかわらずこの改革を実行したことを個人的に感謝したい」と反対党の党首アンゲラ・メルケルに言わしめた偉大な指導者の真実に迫る好著である。ドイツ再興の理由が、1998年から2005年まで首相を務めたゲアハルト・シュレーダーの大改革「アゲンダ2010」にあることは、すでに日本でも広く知られている。特に「雇用の奇跡」は有名で、失業率はEU平均の半分(2012年5.5%)、25歳未満の若年失業率に至っては、EU平均の3分の1以下(13年7.6%)とずば抜けた成果を上げた。手厚かった失業保険制度や公的年金保険制度、解雇関連法案等を大胆に改革した成果である。 ………

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