「遺伝病」の核心に迫る衝撃の記録

『献身 遺伝病FAP患者と志多田正子たちのたたかい』

2014年5月号 連載 [BOOK Review]

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FAP(家族性アミロイドポリニューロパシー)という病気がある。この遺伝因子を持つ人は、成人のある時期からアミロイドというたんぱく質が末梢神経に付着し始め、激しい下痢や便秘、手足の感覚麻痺、歩行困難などの症状が進み、10年ほどの闘病の後、亡くなっていく。根治療法はないが、20年ほど前から、原因たんぱく質が作られる肝臓を肝臓移植で置き換える治療法が行われている。本書は、FAPという過酷な病気の患者や家族に、全身全霊をもって寄り添って生きぬいた、志多田正子という稀有の人物に出会った一記者が、志多田氏の過去を聞き出し、さらに氏に託されて、FAPの患者・家族の実情をまとめた、たいへんに重い本である。志多田氏が語る過去の話は尋常ではない。姉や兄がつぎつぎと衰弱し死んでいくのを看護するなかで、同じ病院に顔見知りの人が放置されているのに気がつく。志多田氏は、そのよ ………

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