自動車産業脅かす南ア「プラチナ鉱山スト」

世界の生産の8割が集中。労働争議がまた頻発して一段と泥沼化、ズマ政権の無能ぶりを露呈した。

2014年4月号 GLOBAL

  • はてなブックマークに追加

「フラジャイル・ファイブ(脆弱な5カ国)」の一つとして世界経済の不安定要因に数えられる南アフリカはこの4月、アパルトヘイト(人種隔離政策)撤廃から20周年を迎える。南アの将来の安定は「持たざる者」の希望と要求がいかにかなえられるかにかかっているが、いまだ自由と民主主義のもたらす恩恵に浴せぬ数百万人の黒人労働者たちは怒りを募らせ、7万人に上る鉱山労働者もそこに含まれる。その南アのプラチナ鉱山でストライキがまた頻発、世界的影響を及ぼしかねなくなってきた。プラチナの世界需要は5割前後を自動車排ガス触媒が占めるうえ、供給面でも生産量の78%を南アの大手3社――アングロ・アメリカン・プラチナム社、インパラ・プラチナム社、ロンミン社に集中する極めて偏った需給構造になっているためだ。産業用途に限ると、トヨタ自動車などを抱える日本は欧州に次ぐプラチナ消費国なのだ ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。