「人民元急落」米国黙認の裏

G20で「世界の成長目標2%」を謳った直後に、横紙破り中国が元売り介入の怪。米緩和縮小の露払いか。

2014年4月号 BUSINESS [シドニーの置き土産]

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これを、舌の根も乾かぬうち(in the same breath)というのだろうか。黒海沿岸のソチで開いた冬の五輪が終わるや否や、プーチン大統領率いるロシアはウクライナのクリミアを占領した。バラク・オバマ米大統領がロシアに発した「重大な懸念」は軽くいなされた。ソチとクリミアの距離はわずか500キロメートル、東京と大阪ぐらいしかない。オバマ大統領が6月にソチで開く8カ国首脳会議(ソチ・サミット)をボイコットすると息巻き、ロシアへの経済制裁に踏み切った。その気持ち、分からぬではない。同様に首をかしげたくなるのは、2月22~23日にシドニーで開いた20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議である。麻生太郎財務相、黒田東彦日銀総裁も参加して決めた合意が、G20諸国が合わせて2018年までに、実質経済成長率を2%高める、というもの。成長の鈍化した世界経済に活を入れようという志はよしとし ………

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