中国海軍の強大化、米軍と日本に警鐘

『太平洋の赤い星 中国の台頭と海洋覇権への野望』

2014年3月号 連載 [BOOK Review]

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中国は海軍力を急速に伸展させており、その活動範囲は自国周辺にとどまらず、太平洋にまで及びつつある。最初の空母である「遼寧」を就役させ、さらに国産空母を建造中と報じられるなど、今後も中国による海軍強化の流れは強まると考えられる。強大化する中国海軍は何をめざしているのか。それは既存の国際秩序を揺るがすものなのか。その秩序を担ってきた米国はどう対応すべきなのか。これらの問題に取り組んだのが、米国における中国海軍研究のメッカといえる海軍大学に所属する新進気鋭の2人の研究者だ。元海軍士官であるホームズは海軍の戦術や戦略という観点から、中国語に堪能なヨシハラは中国の膨大な公開資料を丹念に読み込んで、中国海軍の動向を分析している。このコンビはこれまでも注目される研究成果を数多く発表、日本にもたびたび招かれるなど、その卓見は専門家の間で広く認められてい ………

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