かつて世界一を誇ったが、経費を惜しみ、今や8時半~15時半だけの「周回遅れ」。
2014年3月号 BUSINESS
「いわば日本が抱える究極の構造問題の一つかもしれない」と国際金融筋はため息をつく。IT革命で超高性能の携帯端末などが急速に普及するなか、日本の旧態依然の銀行振込システムがすでに効率化や高速化の波に乗り遅れつつあり、世界から取り残されてしまう事態を心底憂えているのだ。改革が遅々として進まない背景には、邦銀の間で根強い経費増大懸念がある。さらにその底流には、銀行振込システムを運営する全国銀行協会(全銀協)傘下の全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)のガバナンス(統治)に欠陥があるほか、「銀行側とシステム請負業者側の利害が皮肉にも一致した形の『もたれ合い』関係も存在する」(関係筋)とみられるだけに問題の根は深い。
「どんなに働き掛けても大幅なシステム改革に極めて消極的だ」――日銀幹部は嘆く。英国など一部の国が「24時間365日」リアルタイムでの送 ………
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