中東「石油浪費」クライシス

人口増と経済成長で輸出余力が縮小。シェール革命も焼け石に水で、やがて世界は未曾有のエネルギー危機へ。

2014年1月号 BUSINESS [先細る産油国輸出余力]

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石油を「がぶ飲み」する新興国と聞いて、読者の多くがまず思い浮かべるのは中国だろう。では、石油消費量の伸びが中国に次いで大きい国はどこか。正解は中国以外のBRICs(ブラジル、ロシア、インド)でも、経済成長著しい東南アジアでもない。世界最大の産油国サウジアラビアである。下のグラフをご覧いただきたい。2002年から12年までの10年間に、中国では石油消費量が1日当たり約500万バレル増加した。サウジの増加量は同130万バレル弱と4分の1だが、中国の人口が13億人を超えるのに対し、サウジは45分の1の約2900万人。1人当たりの増加量ではサウジの方がはるかに大きいのだ。サウジ以外の中東諸国でも、同様に石油消費が急増している。サウジ、クウェート、イラク、イランなど中東の産油国12カ国の合計では、02~12年の増加量は1日当たり約290万バレル。これはインド、ブラジル、ロシアの増加量の合 ………

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