「赤ちゃん取り違え訴訟」のバカ判決

病院側の取り違えで母子家庭の子となった60歳男性の悲劇。慰謝料3千万円とは、裁判官もどうかしている。

2014年1月号 DEEP

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6年間育てた息子は、病院で取り違えられた他人の子だった――。こんな宣伝文句でヒット中の映画「そして父になる」のはるか上を行く、現実の悲劇が裁判で明らかになった。原告の男性は還暦近くなって取り違えが分かり、しかも本来の家庭は裕福で、育った母子家庭とあまりにも違っていた。裁判所は取り違えた病院に慰謝料3千万円の支払いを命じたが、こんな額であがなえるのだろうか。2013年11月26日の東京地裁判決によると、原告の鈴木一郎さん(仮名)は1953年3月、東京都墨田区の賛育会病院で生まれ、13分後に同じ病院で生まれた佐藤和夫さん(仮名)と取り違えられた。佐藤家の四男となった一郎さんは2歳で父親を亡くし、その後は生活保護費を受給する母子家庭で育つ。家電製品が何一つない6畳のアパートに母子4人(三男は早逝)が身を寄せ合って生活していたという。一郎さんは兄2人と同様、中卒後す ………

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