トップダウンで改革断行[パネルディスカッション]

シュレーダー改革は単なるアメリカ追随ではない。その驚くべき包括性と徹底性を、日本の「改革」派第一線の3人と分析した白熱の討論。

2014年1月号 POLITICS [シュレーダー前ドイツ首相講演と討論会]

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八代 最初にシュレーダー改革と日本の改革との関係についてお話ししようと思います。首相就任時の1998年、ドイツは非常に高い失業率に悩んでいたわけです。東西ドイツ統合の影響もかなりあったわけですが、労働法制は雇用を守ることに重点が置かれていて、流動性の乏しい労働市場でした。シュレーダー政権の改革は、まず失業給付の改革です。「要求と支援」(fordern und fördern)――失業者にきちっと働くことを要求するとともに、必要な支援を与えることを打ち出したわけです。実は日本でも同じような試みが第一次安倍内閣で行われ、例えば生活保護の対象者を、働けない高齢者と働ける非高齢者に分けて、後者に徹底した職業訓練を与えるという案もありましたが、実現に至りませんでした。

「雇用改革」日独で実現性に差

二番目には連邦雇用庁(日本の職業安定局)を改革し、地方自治体との連携とか、民間の人材サービスを活用して ………

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