「新防衛大綱」の離島防衛強化戦略は、透明性が確保されれば、地域の安定にむしろ貢献すると専門家は見る。
2014年1月号 POLITICS
挑発と抑止は紙一重である。安倍政権は、今後10年程度の自衛隊の運用や装備の方向性を定める新たな「防衛計画の大綱」(防衛大綱)を12月中に策定する予定だが、中国を挑発することなく抑止しなければならない、という難題に直面している。なかでも、防衛大綱に明記される予定なのは、陸上自衛隊に「海兵隊機能」を持たせるという戦略だが、これは危険をはらんでいる。下手をすると「専守防衛に徹する自衛隊は周辺地域に脅威を及ぼすことはない」という近隣諸国の認識と齟齬をきたす可能性があるからだ。海兵隊は上陸強襲を主要任務とする攻撃部隊である。自衛隊は平和憲法の枠を超えるとの認識からこれまで海兵隊を保有してこなかった。だが、中国の軍事プレゼンス拡大を受け、日本政府は領土、特に沖縄県の離島防衛に必要な防衛能力についての分析を修正したのである。
その結果、新防衛大綱には、 ………
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