実録・ソニー「追い出し部屋」④「俺たちの神様」が逝った日

職場では井深大の死に衝撃を受けた40歳代後半の係長が早退した。打ちひしがれた様子が尋常でなく「自殺するんじゃないの」と囁き合った。

2014年1月号 BUSINESS [短期連載④]

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会社に30年以上も勤めると、退職の日ぐらいは賑やかに再出発の門出を祝ってもらえるものだが、ソニーの「キャリア推進室」では、そうはいかない。一人でそっと旅立つ――通称「リストラ部屋」では、これが当たり前の風景になっている。部屋の住人たちが送別会を催してくれた時代もあったのだ。だが、キャリア推進室の人事部員は姿を見せない。住人たちから送別会に誘われた部員は言った。「皆さんたちでどうぞ」此岸(しがん)で管理する人事部員が、彼岸(ひがん)の住人の催しに顔を出すわけにはいかないのであろう。2012年10月31日。元外装設計部課長・長島紳一(54)がいよいよ出て行く日がやってきた。――このまま会社にしがみついていても、降格や減給、転出、解雇、叱責、白眼視と、おびただしい不安に包囲され続けるだけだ。そう考えて、長島が外装設計部からキャリア推進室へ自ら飛び込んで44日目 ………

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