「資本の硬直」を企業制度改革で流動化

政労使会議を突破口に、銀行が産業を支配する「ライン型」から脱皮へ、壮大なドイツ改造が実現した。

2013年12月号 POLITICS [シュレーダー改革 第三弾]

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安倍晋三首相の肝いりでスタートした政労使会議は11月5日までに3回開催され、賃上げを含む労働問題を扱っている。アベノミクスが消費税増税を乗り切るには、賃上げで家計を温めることが不可欠だからだ。この政労使会議の「原型」は1990年代末のドイツにある。98年12月、政権発足早々のシュレーダー首相は、使用者団体と労働組合の指導者を招き、第1回目の政労使会議「雇用のための同盟」を開いた。コール前政権下でこじれた労使関係を修復するためで、当初は若年失業者対策など構造問題に限定していた。だが、2回目会議から使用者側が賃上げも取り上げ、政府の関与を求めた。3回目で労働側が折れ、合意文書に「雇用増加を関連付けながら賃金を決めていく」と盛り込まれ、雇用増のためなら賃上げは抑制せざるをえないとのコンセンサス醸成の場となった。賃上げをめざす日本はちょっと見には真逆だが、硬 ………

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