改革で「貧富の差拡大」批判は筋違い

失業手当カットと就労支援の「アメとムチ」で労働市場の柔軟化を実現し、所得格差拡大には歯止めがかかった。

2013年12月号 POLITICS [シュレーダー改革 第三弾]

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ゲアハルト・シュレーダー前ドイツ首相が2003年に打ち出した一連の社会保障・労働市場改革「アゲンダ2010」をきっかけに、失業率が劇的に低下した一方で、ワーキングプアを増やし、貧富の差を拡大させたという批判がある。実際は長期失業者が半減し、低所得層の所得が底上げされたことなどを背景に、すべての調査結果でドイツの社会格差は04~05年をピークに落ち着く傾向にあったことを示しており、シュレーダー改革の評価については議論の余地を残している。03年初頭のドイツの経済状況は惨憺たる有り様だった――実質GDP(国内総生産)は3年間ほぼゼロ成長に近く、失業者数は400万人を超えた。日本と同様に老齢年金や健康保険などの社会保障制度が、高齢化と東独統合による急速な人口構成の変化に対応できず、政界でも抜本的な改革が必要というコンセンサスができていた。そうしたなかで05年1月、一連の ………

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