2013年12月号 BUSINESS
毎年4月、10月の2回、日銀は景気や物価の見通しを示す「展望リポート」を公表し、市場との対話に努めてきた。しかし、今年3月の黒田東彦総裁の就任でその性格は変質し、日銀が物価2%上昇の祈りを捧げる「願望」リポートと化した。10月31日、黒田は展望リポートを決定した政策決定会合後、定例の記者会見に臨んだ。「2%の物価安定目標の実現に向け、十分順調に道筋をたどっていける」と語る姿は、長期国債を大量に買い入れる「異次元金融緩和」に陶酔し、まるで「自己催眠」にかかっているかに見えた。なぜなら、市場関係者のほとんどが「2年で物価上昇2%」という黒田の目標達成を信じていないからだ。日本経済研究センターが有力エコノミストの予測を集計した調査によると、2015年度の消費者物価上昇率(CPI、生鮮食品と消費税増税効果を除く)は平均0.93%。黒田が展望リポートで示した1.9%に比べ ………
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