半沢直樹と消費税の「見せ消ち」

2013年11月号 連載 [いまここにある毒]

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あれは歌舞伎の「見せ消(け)ち」、つまりエンディングの欠如と見せて、実は手前で寸止めにして余韻を残したのだろう。宿敵の常務が役員会で土下座し、勝った半沢直樹が証券会社出向を命じられて幕となった結末のことだ。堺雅人や香川照之らのクサい演技が受けて、この「倍返し」ドラマは喝采を浴びた。オネエ検査官、片岡愛之助の怪演に、金融庁の現役第一線でもファンが多かったのはご愛嬌か。しかし、四半世紀前の現実のバブルとその崩壊過程の渦中にいた人々は、筆者も含めてほとんど見るに堪えなかった。あの不可解な狂騒の時代を、こんな勧善懲悪のサラリーマン物語に仕立てたアナクロニズムが信じられない。全編これ銀行内のチャンバラ劇だが、「倍返し」するもされるも、他人のカネで私怨を晴らしているだけではないか。いい気なもので、そこは来年4月に消費税を8%に引き上げることを決めた安 ………

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