シリアでアルカイダ系「性の聖戦士」

化学兵器廃棄合意をよそに、反アサド派の内訌は深刻。チュニジアから“慰安婦”も。

2013年11月号 GLOBAL

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9月20日金曜の正午、泥沼の内戦がやまないシリア上空で、複数の人工衛星のカメラが焦点を絞ったのは、反体制派の制圧下にある北部地域アルラッカの町の広場だった。群衆が見守るなか、埃っぽい広場で一列にひざまずいた男たちが銃殺された。処刑されたのはバッシャール・アサド政権打倒をめざす親欧米の武装勢力、自由シリア軍(FSA)の戦士たちだった。処刑を実行したのは、同じ反政府派だが、アルカイダ系イスラム過激派組織、イラク・シリアのイスラム国(ISIS)の民兵たちだ。シリア空爆を思いとどまった西欧諸国が危惧していた反アサド陣営の内紛は、すでに血で血を洗う段階に達しているのだ。

化学兵器全廃は「不可能」

徐々に勢力を拡大しているISISは、シリア内戦を「イスラム教に基づく新国家建設のための聖戦」として外国人戦士をシリアに集結させている。彼らは和平交渉に反対し、イスラム法シャリーアの順守を誓う ………

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