「ケネディ大使」抜擢の奥義

「初の女性大使」は、日本を喜ばせるのが目的ではなく、オバマを囲むスーパーウーマンたちの権謀。

2013年10月号 POLITICS [ホワイトハウスの「女帝」]

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ケネディ家最後の直系であるキャロライン氏(56)の駐日米大使起用は、名家や有名人が大好きな日本人のプライドをくすぐるオバマ大統領らしい一手である。日本メディアの浮かれぶりは深窓の姫君の輿入れを迎えるような甘ったるさで、「大統領にいつでも直接電話できる」とか、「新婚旅行は日本だったから親日派だ」とか手前勝手な観測ばかり。大統領が電話に出たところで、政治も外交も行政も実務経験ゼロの姫君が何を話すのか。ケネディ氏は8月28日、ワシントンで開かれた公民権運動のキング牧師演説50周年記念集会で演説し、「『水は流れても川は残る』という日本の格言」を引いて「人種差別をなくす親の世代の夢を引き継ごう」と訴えた。米紙によると方丈記の「ゆく河の流れは絶えずしてしかも元の水にあらず」が出典らしいが、英訳はさておき、演説の趣旨と鴨長明の無常観は全くずれている。知日派 ………

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