林農水相は「TPP」の蚊帳の外

甘利、茂木両大臣に主導権を奪われ出番なし。「将来の総理候補」の看板もサビつく。

2013年10月号 POLITICS

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年内妥結をめざし、大詰めを迎えつつある環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉で、林芳正農水相の影が薄い。「経済政策通」「国際派」などと評価が高く、安倍晋三第2次政権で重要ポストに抜てきされたものの、国益をかけたガチンコ勝負の通商交渉では、国内調整も含めて泥臭い仕切りは不得手である。「将来の首相候補」という看板もサビつく瀬戸際だ。

霞が関は「御しやすい」と評価

「来週、筑波の農林研究団地の視察等のために、つくば市に出張します。併せて、若手・女性研究者のみなさんと意見交換して、攻めの農林水産業を実現するための、まあ、基本であると思っている技術開発等の現状に理解を深めたいと思う」――。日本がTPP交渉に本格参加したブルネイでの交渉最終日だった8月30日、林氏は閣議後の記者会見で、こう切り出した。農業視察は大切だろうが、交渉の節目の重要なタイミングである。とんちんかんな大臣に驚い ………

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