トルコ「新オスマン」外交に影

ダーヴトオール外相がめざす「ソフトパワー」大国。シリア反体制派支持が足かせに。

2013年9月号 GLOBAL

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トルコは東西の交差点に位置する地理的な利便性や、世界第16位の経済力を生かし、この20年間に中東、バルカン半島、旧ソ連の一部だった西アジア地域にまたがる広大な地域で、中心的な存在になりつつある。トルコの政治・経済政策およびこれらの地域での外交戦略は、次第にオスマン帝国の再興という最終的な目標達成を意識したものになってきた。ただ、武力ではなく平和的な手法を通じてではあるが。オスマン帝国は1453年にコンスタンティノープルが陥落して以来、世界で最も強力な国家の一つとなり、1922年に君主制が廃止されるまで6世紀以上(623年)にわたって欧州に巨大な影を落としてきた。

EU加盟承認先送り

そのトルコが近代国家になったのは、第1次大戦の敗北を経て、1923年にトルコ共和国が建国されてからである。以来、帝国の大半の版図を失ったトルコにとって、アナトリア半島とボスポラス海峡北側に縮小され ………

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