小松新法制局長官は「猟官ヒラメ」

下克上が横行する外務省の出世競争は、あまりにもえげつない。外交そのものが歪む。

2013年9月号 POLITICS

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内閣法制局の歴代幹部たちは、「法の番人」といういかめしい称号に似合わず、会えば気さくで話もうまい。政府が閣議決定して国会に提出する法令や条約を、憲法や他の法律に照らして問題ないか点検し、解釈の政府統一見解を示す仕事なので、各省庁の官僚たちを納得させる論理と説得力がないと務まらないからだ。定員77人の組織には各省の選りすぐりが集められ、若い頃から「法令審査のプロ」として鍛えられる。経済や地方自治などあらゆる行政分野の法令を担当するため、広い知識と経験が必要なのだ。もう何十年も部長以上の幹部は旧大蔵(財務)、通産(経済産業)、自治(総務)、農水、法務5省の出身者が占め、長官に農水を除く4省の次長経験者が交代で就いてきたのは、法制局が霞が関全体の実務を総仕上げする特別な機関だからである。集団的自衛権行使容認の「一点突破」にこだわる安倍晋三首相が、 ………

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