中国核燃料工場を頓挫させたデモ

怒れる民衆の反乱が「異次元」化してきた。国家プロジェクトにも抵抗、自爆テロまで起きた。

2013年9月号 GLOBAL

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習近平(シージンピン)政権が発足した昨秋以来、我々香港の中国人権民主化運動情報センターは独自調査の重点を変えた。共産党最高指導部の権力闘争より、中国各地で頻発する騒乱事件のスクープと背景分析に多くの精力を注いでいる。インターネット時代には、中国の片隅で起きた小さな事件の情報も瞬時に世界に拡散する。その積み重ねが、今後の中国を大きく揺さぶると感じるからだ。果たして7月12日、筆者の正しさを予感させる事件が起きた。広東省江門市で、核燃料工場の建設に反対する市民約千人がデモ行進。翌13日、同市党委員会が計画中止を発表したのだ。中国は国家プロジェクトとして原子力発電を推進しており、現在建設中の原発は29基に上る。江門の核燃料工場は、国策企業の中国核工業集団と中国広核集団が共同で370億元(約5920億円)を投じてウランの精製・濃縮プラントを建設し、中国南部の ………

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