過去の成功体験に酔って独自路線に固執し、iPhoneとサムスンに惨敗。日本勢にも他山の石だ。
2013年9月号 DEEP
このところのニューヨークでは、スマートフォン(スマホ)のイメージを外装にしたミニバンが市内を走り回っている。食品や衣料ならともかく、車体広告を利用したデジタル商品の街頭宣伝は珍しい。衣料品などと異なり、デジタル商品はイメージではなく、スペック(仕様)が肝心だからだ。広告主はカナダの大手通信機器企業ブラックベリー。小さなキーボードを搭載した携帯端末や機密性の高いネットワーク・サービスは、スマホの先駆けとして欧米の官庁やビジネス界ではお馴染み。バラク・オバマ米大統領もかつてファンだった。知名度は抜群なのに、世界最大のスマホ市場の米国で“ドブ板営業”にいそしむのはなぜか。答えは販売代理店にソッポを向かれたから。AT&Tやベライゾンをはじめとする米通信大手は、ブラックベリーのライバルであるアップルのiPhoneや、グーグルの基本ソフト(OS)アンドロイドを ………
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