興行と利益分配を一手に握るエクレストンは年貢の納め時。巨大ビジネスも曲がり角。
2013年9月号 LIFE
自動車レースの最高峰F1(フォーミュラ・ワン)は、大音響を発する世界で最もやかましいスポーツである。だが、最近は最高時速350キロで疾走するマシンの発する金属音さえ、場外騒音にかき消されつつある。2013年の後半戦は8月末にベルギーのスパで開かれる第11戦グランプリで火ぶたを切るが、最近話題を独占するのは、TV放映などF1関連の興行と利益分配を一手に仕切っている「F1の帝王」バーニー・エクレストンの行方。前半戦をトップで折り返した「レッドブル・レーシング」のセバスチャン・ベッテルの戦況ではない。エクレストンは10月に83歳になる。高齢に加えて、ドイツの法廷が大きな脅威として彼の前に立ちはだかった。中古車販売業からのしあがり、控えめに見積もっても50億ドル(約5千億円)の資産を形成したが、7月に贈賄容疑で起訴されたのだ。
2005年、ドイツの銀行が英国有数のファンド ………
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