マクロ経済政策に「上限」と「下限」。針の穴に糸を通す李克強の舵取りは早くも窮地に。
2013年9月号 GLOBAL
今年6月まで、中国の李克強(リークーチアン)首相は自らの経済政策について明確なメッセージを発していた。中国経済の成長エンジンを「投資」から「消費」に転換させるため、GDP(国内総生産)の成長率鈍化は「避けて通れない前提」というものだ。政治ウォッチャーたちは、今年3月に首相に就任した李が、中国経済の構造改革に並々ならぬ決意で臨んでいる証左としてメッセージを受け止めた。ところが、7月に入って景気減速を示す経済指標が次々に発表されると、李のメッセージにブレが見え始めた。7月1日に発表された6月の製造業景況指数(PMI)は50.1と、前月から0.7ポイント低下。10日に発表された貿易統計では輸出が前年同期比3.1%も落ち込み、輸入も同0.7%減少。15日に発表された4~6月のGDP成長率は7.5%と、1~3月より0.2ポイント鈍化した。そんななか、李は7月16日に主要産業や金融界の代表者 ………
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