「五浦六角堂」再建で蘇る岡倉天心

没後100周年の今秋、復興支援と銘打つ映画『天心』公開や回顧展が待ち遠しい。

2013年9月号 LIFE

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茨城県北茨城市の太平洋の荒波が洗う岬の突端に、文明を遠ざけるように構築された六角堂は、想像を広げる。人妻との醜聞がきっかけで東京美術学校校長の座を追われた岡倉天心は新しい「国風美術」の拠点として、横山大観、菱田春草、下村観山らの若い画家たちと「日本美術院」を創設した。西洋画に対抗して「日本画」に理想を求めて立ち上げた美の共同体の活動は不振に追い込まれる。東京から拠点を移したのが、この鄙(ひな)びた常陸の海辺の人里離れた僻村であった。同人たちの住居や画室がつらなる敷地のはずれに建つ六角堂の広さはわずか3坪あまり。奇抜な六角形の建物は灰色の瓦葺きの屋根に擬宝珠(ぎぼし)を頂き、外壁の6つの板張りの面には鮮やかな紅殻色が施されている。内部は畳敷きで中央に六角形の炉が切られ、眼下に広がる紺青の海原を眺めて潮騒を聞きながら茶を楽しんだ。蝉雨緑に霑( ………

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