オバマが「安倍外し」の理由

オバマ政権にとって「安倍外交」は、次第に同盟国の枠を外れ、独りよがりで迷走する「厄介者」になりつつある。

2013年8月号 COVER STORY [「日本蚊帳の外」の悪夢]

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参院選でも安倍晋三首相は、中国の軍事脅威に日米同盟で対抗するという俗耳に入りやすい持論を繰り返した。「中国は尖閣諸島周辺で連日のように海洋監視船や潜水艦を航行させ、実効支配を目論んでいます。でも、安心して下さい。民主党政権で損なわれた日米同盟の信頼は、私の政権に替わって強い絆を取り戻しました。だから大丈夫です」。確かに米軍と自衛隊の連携はめざましく深化しても、それぞれの最高指揮官であるオバマ米大統領と安倍氏が、個人的信頼どころか最小限必要な意思疎通も欠いている実態は、もはやごまかしきれない。オバマ政権が安倍外交の勘違いに呆れかえっているだけでなく、オバマ氏本人が安倍氏を政治家として信用していないからだ。6月7、8日、米西海岸の保養施設で泊まりがけで行われたオバマ氏と習近平・中国国家主席の米中首脳会談は延べ8時間半に及んだ。2月にワシントンで ………

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